歴史に幕
突然ですが皆さま、普段ブラウザは何をお使いですか?世界シェア率No.1のGoogle Chrome?Windows 10標準ブラウザのMicrosoft Edge?それとも昔から使い慣れているInternet Explorerでしょうか?
ご存じの方もいらっしゃるとは思いますが、日本時間2022年6月16日をもって、Internet Explorer 11(以下IE11)のMicrosoftサポートが終了となります。
※日本マイクロソフト株式会社:Japan Windows Blogより抜粋
なぜサポート終了となるの?
IEはWindows95とほぼ同時にリリースされ、25年以上の歴史があります。逆に言えば非常に古いブラウザであり、Microsoftでの開発も既に終了しています。そのため、セキュリティ面の脆弱性が多数残っていたり、すでに標準となっているWeb技術に対応できていないため、IEで表示できないサイトも増えてきたりしています。そんな状況のため、新たにEdgeをリリースしたMicrosoftはIEをサポートする意味が無くなってきたのだと考えます。
2022年6月16日以降はどうなるの?
IE11を起動すると自動的にMicrosoft Edgeが起動するようになります。また、先日正式版がリリースされたWindows 11には、そもそもIEが搭載されていません。
どんな影響があるの?
IEでのみ動作するように作られていた(=IE以外でのブラウザでの動作が保証・検証されていない)Web系システムの画面が崩れたり、処理に不具合が発生する可能性が考えられます。
どんな準備が必要?
まずは自社内で動作しているシステムの現状確認をしましょう。各システムをEdgeまたはChromeで動作検証し、不具合が発生した場合は以下の対応を実施することを検討してください。
対応策①:EdgeのIEモードでシステムを動作させる
※EdgeのIEモードとは?
IEでなければ利用できないWebページをEdgeで表示する機能です。IEのレンダリング(描画)エンジンである「Trident MSHTMLエンジン」を使って、IE依存のWebページを表示します。
- メリット
- ・比較的工数(時間とお金)をかけずに短期間で移行可能です。
- デメリット
- ・IEモード自体のサポートは2029年までとなっていますので、それ以降は再度対策が必要になります。
・企業ユーザーの場合、IEモードで動作させたいシステムの一覧を作成し、グループポリシーで一括設定する必要があります。(継続的な運用管理が必要)
・IEモードでシステムが正常動作するかどうかの検証が必要です。
対応策②:Edge, Chrome等、マルチブラウザで動作するようにシステム改修
- メリット
- ・ユーザーの利用したいブラウザでシステムを動作させることができます。
※参考:国内デスクトップブラウザシェア(2021年4月)
Chrome:58.89% Edge:16.94% Safari:9.14% IE:6.34% Firefox:6.05% - デメリット
- ・システム規模によりますが、対応策①と比べて改修にかかる時間と費用が増加します。
対応策③:インターネット非接続環境でIE11を継続利用する
- メリット
- ・基本的には何の対応の必要もありません。
- デメリット
- ・システムにIEに起因する不具合が発生しても、サポートが終了しているためほぼ対応不可能です
・Windows Updateやウイルスパターンファイルの更新ができないため、PC自体のセキュリティリスクが高くなります。
(新しめのウイルスに感染したUSBメモリを差したらどうなるか...考えただけで怖いです)
当社では対応策②をお勧めしていますが、対応についてお悩みの方はお気軽にご相談ください。