マルウェア(悪意のあるプログラム)「Emotet(エモテット)」が、猛威を振るった昨年以上に感染拡大の動きを見せています。Emotetの挙動例ですが、入り込んだパソコンの中で巧妙な手口を使い、さもそのパソコンから送信したかのような偽メールを周囲にばらまくことで感染を拡大させます。企業の情報流出や、ファイルを勝手に暗号化して身代金を要求する被害が報告されており、非常に危険なマルウェアとしてニュース、新聞等で報道されています。
そのような騒動の中、残念ながらセキュリティ対策が相対的に弱い、中小企業を狙った攻撃も顕在化しております。各企業様々な事情があって十分なセキュリティ対策を施せないのは致し方ないことなのですが、攻撃者はただひたすら、罠にかかりそうな対策の甘い企業を狙っています。
そんな中、当社では複数事業者によるコンソーシアムに参画、千葉県内の中小企業に向けて「サイバーセキュリティお助け隊事業」を実施しております。
「サイバーセキュリティお助け隊事業」について(応募は定員に達しました)
上記リンク先にも記載されている通り、期間限定ではありますが無償でセキュリティ機器を皆様の会社に設置して、どのような脅威が潜んでいるかを「見える化」します。専門の相談窓口も設けておりますので、危険な兆候が見られればエンジニアが対応しております。
現在、お申込みいただいた皆様のところに伺って、事前調査や無償のセキュリティ機器設置を順次行っておりますが、当社が初めて訪問するお客様もいらっしゃいます。そこでは意外な経験もしました。例えば、すでに同様のセキュリティ対策を行っていたのにご自分達で全く認識していない場合や、似たようなセキュリティ機器を別々の業者からいくつも導入していて、実は十分な効果が得られてなかった、という事例がいくつかありました。セキュリティ対策は専門の知識が必要です。自社がどのような対策を行っており、どの程度の強度を持っているのか把握していない企業がいることは、致し方ないことなのかも知れません。
当社では、今回のような取り組みはもちろんですが、普段からセキュリティに関するご相談を受け付けています。残念ながらご紹介した「サイバーセキュリティお助け隊事業」の無償提供期間は短く、興味を持っていただいたお客様全員に体験していただくのは難しいですが、ご自分の会社のセキュリティ対策に不安を感じている場合や、現状を把握したい、といったご要望にお応えできます。
冒頭で申し上げたEmotetもそうですが、パソコンにウイルス対策ソフトを入れておけば安心という時代は終わりました。セキュリティ対策の網の目をかいくぐる様なマルウェアも増えています。質の違うウイルス対策ソフトを組み合わせたり、ネットワーク上にセキュリティ機器を設置したり、諸々のセキュリティ対策製品が記録する履歴(ログ)を専門業者に常時解析を依頼したりと、複数の対策を組み合わせる「多層防御」が必要になってきます。防御網を幾重にも重ねて、穴(セキュリティリスク)をふさいでいくことで、感染リスク軽減と、感染後の被害軽減につながります。
マルウェアによる被害を軽視せず、適切な対応をご検討ください。