今さら聞けないシリーズの第2弾。今回は口座振替のお話です。
皆さまも新聞購読料、家賃、駐車場、携帯電話料金、クレジット利用代金など様々な用途で口座振替を利用されていると思います。
口座振替とは、依頼者(ここでは企業とします。)からの請求に基づき相手側の保有する口座から引き落としを行い企業の口座へ入金(振替)することをいいます。
口座振替の方法
企業は相手側の口座から勝手に引き落としは当然できませんので以下の手順により運用されます。
まず企業は金融機関に口座開設を行います。(委託者コード(企業を識別するコード)を金融機関に採番してもらいます。)
次に企業は引落を行う相手側に口座振替依頼書を記入してもらいます。(最近では、口座振替依頼書の代わりにキャッシュカードを読取し暗証番号を入力することで手続きできるサービスもあります。)
そして、企業は相手側から受け取った口座振替依頼書を金融機関に送付します。
金融機関では口座情報及び口座の届印の照合を行い、照合がOKならば該当口座に企業(委託者コード)の紐づけを行います。
このように企業と相手側の口座情報を紐づける必要がある為、金融機関は同一でないと処理できません。
相手側口座からの引き落とし方法
ここからは企業が引落しを金融機関へ依頼する方法です。
一般的には、全国銀行協会(全銀協)が定めている全銀フォーマットに基づき企業が作成します。(内容は、委託者コード、振替日、相手側の口座情報、引落金額など)
まず、作成した依頼データは伝送等により金融機関に送付します。
次に、金融機関は依頼データに記録された情報を基に引落処理を行い引落結果データを作成します。その後企業は引落結果データを受信し確認を行います。
これが一連の流れです。
口座振替依頼書を記入したことがある方は気づいているかもしれませんが、引落の金融機関が複数選択できることがよくあります。
このケースの場合、企業は複数の金融機関に口座を開設して委託者コードを取得しています。
当然金融機関ごとに依頼データを作成し、引落結果データも受信します。
集金代行サービス会社の利用
相手側にとっては企業が指定する金融機関に口座を保有していないケースもある為、企業もある程度の金融機関に口座を持つ必要があり、運用が煩雑になります。
そこで登場するのが集金代行サービス会社(サービス事業者)です。
皆さまも実際に口座振替依頼書を記入するとき、家賃や駐車場の借主とは違う〇〇ファイナンスや〇△ファクターになっていることがあると思いますが、利用する企業は自身が口座開設しなくてもサービス事業者が保有している金融機関を利用することができます。
当然サービス事業者は取扱のあるすべての金融機関に口座開設しています。
従って引落される相手側の通帳には事業者の名前が印字されています。
その昔に親御さんが息子の通帳に〇〇ファイナンスから引落があったことを見つけ借金してんのか!と問いただしたとの話を思い出しました。
今回はここまで。