こんにちは!
7月下旬から1か月間、特定非営利活動法人ITコーディネータ協会(ITCA)主催の「ITC資格取得用ケース研修」を受講しました。ITコーディネータの研修は様々の企業の方と受講するケースが多いのですが、今回はCCS社員限定で開催され、営業、SEと立場が異なるメンバーが受講していたためワークショップでは活発な意見交換が行われ、新たな発見・気づきを得ることができました。
ここからは、ITコーディネータについて研修を担当した講師の方から色々と教えていただきます!
- 講師:稲垣 実 様
- ITコーディネータ協会認定インストラクタ
- ・船橋情報ビジネス専門学校 ビジネスコンピテンシー研究所 所長
- ・公益社団法人 千葉県情報サービス産業協会 教育技術部会
2001年にITコーディネータ資格を取得され、中小企業の支援のほか、ケース研修インストラクタとして20年余り、ケース研修開発者として10年余りの実績をお持ちで、現在ケース研修改定ワーキングのPMを務められ、2019年から2022年の4年間はITコーディネータ協会の理事を務められております。
それでは、稲垣講師に色々と教えていただきましょう!
ITコーディネータは、企業経営とIT利活用の橋渡しを支援するプロフェッショナルを認定する資格で、2001年に設立され、経済産業省推奨資格となっています。今まで13,000名を超える有資格者がおり、現在、約7,000名がITコーディネータ協会に登録し、全国で活躍しています。
ITコーディネータの主な役割は、
- IT経営戦略の策定と実行支援
- 業務プロセスの改善提案
- IT化プロジェクトの支援
- コミュニケーションと調整
- 教育とトレーニング
などが挙げられます。
ITコーディネータ資格を取得するためには、以下のステップを踏む必要があります。
- ケース研修を受講・修了すること
- ITコーディネータ試験に合格すること
- 資格の認定を受けること
これらのステップをクリアすることで、ITコーディネータとして認定されます。
さらに、資格を維持するためには、フォローアップ研修を受講しなくてはなりません。
資格を取得すると、直接、中小企業と契約して前述の「ITコーディネータの主な役割」を担ったり、商工会議所や商工会、産業振興センターなどの産業支援機関に「専門家」として登録することで、中小企業の経営課題相談やIT相談に応じたりします。
また、経済産業省の施策として地域DX促進活動支援事業が展開されており、地域ぐるみで地域企業のDX実現を支援するための「地域の産学官金が参画する支援コミュニティ」を立ち上げ、地域企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援します。この事業は、地域の産学官金が連携して、地域企業の課題分析や戦略策定の支援をはじめ、ITベンダーとのマッチング支援などが行われます。千葉県内でもこのコミュニティを設置する計画があり、地域金融機関は地域経済を支えるために先導し、ちばぎんグループの「ちばぎんコンピュータサービス」は、地域企業がデジタル技術を活用した業務改善やビジネスモデル変革を支援し、地域を拠点とする最大ITベンダーとして大きな役割があり、さらにその中のITコーディネータは、実際に、地域企業のDX実現を支援する「専門家」として、その活躍が期待されています。
出典:経済産業省ホームページ 令和4年度「地域DX促進活動支援事業」
https://www.meti.go.jp/policy/sme_chiiki/dxcommunity/dxcommunity.html
受講者の声
ここからは研修受講者の声をお届けします。
- 法人営業部
- Tさん
このコースを受講して、多くの学びを得ました。具体的には、プロジェクトマネジメントや最新の技術トレンドに対応する能力を習得し、企業のビジネス戦略や目標に合わせた提案が可能になりました。
特に、企業がITを導入するにあたり、社内で合意形成する為のプロセスがとても重要ですが、その手法がとても分かりやすく詳細に定義されています。
全て身に着けるにはもちろん実践も必要ですが、営業先での提案時の視野も広がり、とても有意義な研修になりました。
SE向けの知識なのでは?と考える方も多いかと思いますが、営業にもとても役立つスキルです。
経営戦略のプロセスを習得することができるので、経営者目線での話ができ、企業全体を考えた視座の高い提案を行えるようになると考えています。
CCSは他社の営業とは一味違うな、相談先として頼りがいがあるなと思ってもらえるようこの知識を生かしていきたいと考えています。
- システム開発部
- Eさん
内容についてはサンプルプロジェクトに取り組み、疑似的にITコーディネータの役割を体験することが出来ましたし、非常に充実した時間を過ごすことができました。
スキルについては分析手法等、既に実行しているものもあったりして、身近に感じられる部分も多々ありました。
それもあり、理解も早まったと感じています。
考え方についてはこれまでに担当したプロジェクトや、現在担当しているプロジェクトが参考になるものもありましたが、経営者視点や経営的な観点については盲点だった部分もありました。
また、PMBOKとは似ている部分とそうでない部分があったので、それぞれのストロングポイントを把握し、相違点を正しく理解した上で自身の強みとして今後に生かしていきたいと思います。
基本的にはプロジェクトをリードしていく人材が対象ではあると思いますが、開発のみ経験しているような人材もプロジェクト全体像を理解するという意味で本研修は有意義なものになり得ると思いますので、今後も受講者が増えていき、体制が充実していくことを期待します。
- システム開発部
- Mさん
本研修を通じて「IT経営」というワードから経営層・ステークホルダーとの連携の重要性を改めて認識しました。
私はSEという立場からなのか目の前の課題に対し「システムによる解決を!」という考えが先行してしまっていましたが、まずは経営者の「思い」を理解し、その思いを実現するためにはどうすべきかを経営者目線で考えることが重要だと学びました。
また企業のIT成熟度、身の丈にあった業務改善、IT戦略を提案することも重要であると学びました。
研修を終え、スタートラインに立ったばかりです(まだ立ってない?)。
これから経験を積み、お客様に寄り添ったIT支援を行えるように日々自己研鑽していきたいと思います。
- システム開発部
- Kさん
本研修を通して、自分が思っていた以上に「システムで解決する」という思考に偏ってしまっていることに気がつきました。
『IT経営を進めたいと考えているお客さんに、すぐにシステムの話をしても聞いてはもらえない』という、一見矛盾しているような講師の言葉がとても印象に残っています。
どうしてIT経営を推進していきたいのかという経営者が持つ根本的な「思い」を理解し、経営者の目線で考えていくことが重要であることを学びました。
サンプルプロジェクトを通して、経営者の視点・経営者の思い実現のために社内でIT推進を進める人の視点・業務状況やITリテラシー等の俯瞰的な視点、といった様々な立場になって適切な提案・サポートをすることの難しさを痛感しました。
様々な役割を通して、段階を踏んで分析した結果、初めて適切なシステムを提案またはシステムとは違った方法を提案できるのだと思いました。
一般的にコンサルティング業務に従事する人材が対象ではあると思いますが、システムを提案する上で活かせることも多くありました。
本研修で得た知識を生かして、広い視野を持ってSEとして最適な提案ができるように日々努力していきます。
ちばぎんコンピューターサービスの今後のビジネス展開
企業のDX化が加速する中で、未だ手が付けられない地域中小企業は多くあります。
「何からはじめてよいかわからない」「頼れる人材がいない」「社内のリテラシーが低い」と課題は様々です。
この課題に対しCCSがIT経営推進者となり、地域中小企業のIT経営実現を支援していきたいと考えています。
CCSの強みは、地場密着型の支援体制と、開発からインフラ構築、運用までを一貫して行うワンストップサービスです。
単にICTツールを提供するのではなく、お客様のビジネス全体を俯瞰し、長期的な視点で経営者と共に二人三脚で効率的な業務への施策を提案していきます。
業務効率化だけではなく、金融機関に求められる堅牢なセキュリティ技術を活かし、お客様のビジネスを安全に支えていきます。
提案した施策を1つずつ実施し課題を解決することでお客さまとの信頼関係を構築し、継続的なビジネスへと繋げていきます。
地域金融機関を代表する「千葉銀行」とそのグループITベンダーである「ちばぎんコンピューターサービス」とで地域中小企業のDX実現を支援しITから地域経済の発展に貢献していきたいと考えます。