まるで働き方改革推進の即効薬かのように登場したRPA(ロボティック プロセス オートメーション)※。
そのせいか、RPAについては、「いくら費用を投入して、いくらの効果が得られるのか」といった定量的な効果に目が向きがちです。それを後押しするように、先行導入している大企業がRPA導入によって「労働時間、年間何十万時間削減!」といった記事も多々見受けられます。
2つの視点で考えるRPA導入効果
大企業と比べひとつひとつの業務ボリュームが大きくはない中小企業は、いかにRPAの導入効果を考えればいいのでしょうか。
定量効果とは、「時間削減」「人件費の削減」「外部委託費の削減」「導入コストの削減」...など、導入の成否かがわかりやすい効果指標です。
RPAには数値化可能な定量効果以外に、お金に換算しにくい定性効果というもうひとつのとらえ方があります。
定性効果にもいくつかの指標がありますが、そのひとつに「サービスレベルの向上」という指標が考えられます。例えば、業務が集中する時期にはお客様への【リードタイム】が長くなる傾向にあります。RPAにはそれを防ぐ効果があります。
またほかの指標として、リカバリにかかる工数が肥大化したり、場合によっては再発防止策の検討など大変労力を必要とする「人的ミスの防止」。ロボットは業務規則や法令遵守に反する「行動」をとることもないため「コンプライアンス強化の面」での効果。さらに、中小企業で発生しがちな「この仕事はこの人じゃないとできません」「この業務ができるのはこの人しかいないから、この日は休めない」などといった「業務の属人化」を排除するという点などでもRPAは効果を発揮します。
RPAはどんな業務に向いているのか
適応業務をRPA適合性×効果の軸でエリアを4つに分けて考えてみましょう。次の図は左右の軸が投資効率で縦軸がRPA適合性です。
右に行くほど投資効率が金額として把握しやすいエリアなっています。当然、この右上に該当する部分は適応対象業務として選ばれる部分ですが、左上の部分は人的ミスの防止やサービスの品質向上といった組織にとって重要な効果がある部分です。
ROIの計算だけを追いかけるだけではなく、単純な割り算では求められないこの左上の部分も対象業務として検討することが重要なのです。これら直接金額には換算できない部分はマンパワーが少ないだけでなくサービスの品質が会社の評判に直結します。中小企業にとって最も考慮すべき点と言えるのではないでしょうか。
今回は導入効果についてのさわりだけですが、RPA導入に関して検討すべき指標はほかにもたくさんあります。当社はこれまで、自社でのRPA導入において多くの失敗も経験してきました。その経験を踏まえ今では、千葉銀行はじめとしたグループ会社や一般企業、団体へのRPA導入を推進しております。
そうした経験談を聞くだけでも構いません。今さら聞きづらい「RPAって何?」からでも結構です。ぜひお気軽に当社にお声がけください。
※RPAとは、ルールエンジン、機械学習、人工知能などを取り入れたソフトウェア型のロボットを利用し、人間が行っていた業務の自動化や効率化を図る仕組みです。